死者のざわめき 被災地信仰論/磯前順一
死者のざわめき: 被災地信仰論
磯前 順一
買取価格 642円
またお盆がやってきます。
仏教でいうところの盂蘭盆からきている言葉ですが、日本では宗派・地方によっていろいろな行事に変化しているようです。もともと祖霊をお迎えし、またしかるべきところへ帰っていただくという年中行事の一つ。
親しい人や家族であれば、夢の中にでも出てきて欲しいと思うのは人の心。
亡くなってしまってからも、その声が聞きたい話がしたいという事になると『イタコ』と呼ばれる口寄せの人々が必要とされるのもわかる気がします。
前回の震災で、行方不明・死者は18470人(2015年5月時点)あまりにも多い犠牲者と、いまだ避難生活をしなければいけない人々。自分の住んでいた土地に戻れなくれなくなった人々。
今、あらためて出来る事がないかを考えながら読みました。
北の一部の地域には「冥婚」とよばれる風習があります(以前紹介した閻 連科の小説にも同じような結婚が出てきます)若くして亡くなった男女をあの世で夫婦にするという、なんとも切ない習慣ではあるのですが、人形や絵が身代わりとして飾られています。また、靖国神社にも1980年以降、花嫁人形が飾られているそうです。
彼の地で今一生懸命に生活している人達が、これから先少しでも震災で負ってしまった傷が癒える事を心から祈りながら、今自分に出来る事を考えてみる、きづきの一冊になりました。
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