太宰治の辞書/北村薫
太宰治の辞書
北村 薫
買取価格 309円
久々のタイトル買いです。
高校時代にあれほど夢中になった太宰治…あげく読書好きの友人に布教活動のように「太宰を読め!」と言いまくっていた過去を思い出し赤面、しつこく勧めてすみません。
こんな事を思い出したのも同じような事をやっていた作中、私の高校時代の友人正ちゃんが登場するからで、全国で今も同じような事をやっている高校生はいるんだろうか?まわりに迷惑がられてないかと一抹の不安を覚えました。
10代に一度は受けていただきたい洗礼のようなものではありますが、何故あんなに夢中になったのか、今読んでる感覚とはあきらかに違うものがその時にはあったのでしょうね、何かしら成長(経年ですね、さほど成長はしていないような気もします)過程でステキななにかをこぼしてしまったのかもしれません。
本書は『円紫』さんシリーズ第6作、主人公も当初大学2年生でしたが、今は息子も中学生になり、編集者としても主婦としても奮闘中の毎日。太宰治の『女性徒』の創作にまつわる謎を解いていきます。
元の日記があった事も読むまで知りませんでした(「女性徒」はなんだか一回は読んだもののそれほど印象に残っていないのも事実)青森近代文学館には翻刻された『有明淑の日記』の原本があるとの事。
元日記に登場する映画「黴(かび)」を探す為に金沢の徳田秋聲記念館の学芸員さんとのやり取りはお互いプロの真剣勝負を見た気がしました。
次回も楽しみなシリーズです。
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