伝説の英雄、真田幸村の真実を描く
真田幸村と大坂の陣
三池純正
「真田幸村」没後400年。伝説の武将・幸村(真田信繁)の生涯を、歴史的事実を踏まえながらストーリー仕立てで描く。人生のほとんどを幽閉の地で過ごした幸村が、その名を上げたのは、晩年のわずか数カ月の活躍に由来する。それなのに、なぜ幸村は今も人々の心を打つのか──。
真田幸村は歴史に興味がある人ならば誰でも知ってると思う、有名な武将の一人だ。
大阪の陣で豊臣に味方して徳川家を苦しめた男。NHK大河ドラマ「真田丸」の放映も2016年に決まって、いま再び注目を集めている。
真田幸村といえば真田十勇士、50代くらいの方々だと、NHKの人形劇を思い浮かべる人が多いのではなかろうか。私もその一人。あの日航機事故で無くなった坂本九氏がナレーションを務めた里見八犬伝の後続番組。人形は、八犬伝と同じく辻村ジュサブロー氏によるものだった。
真田十勇士といえば猿飛佐助、サスケといえば白土三平の漫画、サスケは、やはり50代くらいには忘れられない漫画だ。霧隠れ才蔵も登場するし、忍者のイメージは白土漫画によるところが大きい。
横山光輝の「魔界衆」や、石川賢の「虚無戦士ミロク」といった漫画にも登場する真田一族だ。もっと古い方々にとっては、講談や軍記もので馴染みが深いと言ったところだろうか。最近の若い方々はゲームなどの武将ブームでご存知の方も多いのではないだろうか。
ところが、有名な割に、真田幸村本人がどのような人物だったのかは意外と知られていない。知将と思われているけど具体的にどのような人物だったのだろうか。
領土の少ない弱小大名でありながら、徳川家と対峙した真田昌幸。
その息子の幸村は、兄の信之が跡継ぎだった事もあり、人質としての生活が長かった。
また真田一族は優秀な人材が多かったので、幸村本人の、武将としての出番が生涯でとにかく少なかったらしい。
実は真田幸村という名は、軍記物や講談などで創作された名前だ。本名の真田信繁で語られる事の少ない人物、そのことからして実は知られていない彼の軌跡をこの本は教えてくれそうだ。