昭和残影 父のこと/目黒孝二
昭和残影 父のこと
目黒 考二
買取価格 420円
複数のペンネームで書き分けをしている著者の目黒孝二氏。「本の雑誌」の発行人であった事でも有名です。
とにかく大量に本を読む人で、読む時間が少なくなるからと転職までされています。
椎名誠氏の「あやしい探検隊」シリーズ初期では釜焚きの名人としても登場いたします。
いろいろな顔を持つ氏ですが、今回は書評でも、競馬評論でもなく、ご自身の両親の若かりし頃の話がテーマです。
存命中に聴いておけば良かったと悔む場面が何度かでてきます。
なかなか親に若い時の話、ことに男性同士であればお酒でも入らないとなかなか聴けないし、そういう時は特に聴く事も思い浮かばないのですよね。
若い時に「逮捕されて刑務所に入った事がある」という事は聴いてはいたけれど、それが何の罪かもわからず訊かずにいた著者。父の死をきっかけにいろいろ調べて行くうちに、『事実は小説より奇なり』の文字どおりいろいろな事が繋がっていきます。
著者は高校くらいまで、まるで本を読まなかったらしいのですが、何がきっかけになるかはホントにわからないモノです。
学生さんには夏休みの課題の読書感想文のためでも構わないので、残りの休みに一冊でもよいから読んで欲しいですね。
Webで済むこともありますが、読書体験だけはあまりに脳内で起きている事が深く広いので本を是非手にとっていただきたいです。この夏、良い出会いがありますように…
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