紙の動物園/ケン・リュウ 古沢嘉通=編・訳
紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)
ケン・リュウ 古沢嘉通
買取価格 615円
ヒューゴー賞・ネビュラ賞・世界幻想文大賞、史上初の3冠に輝いた「紙の動物園」を含む15の短編集。
著者のケン・リュウ氏は中国生まれ、弁護士・プログラマーとしての顔も持つとの紹介。
日本語で出版されているもはまだ2点。今年は中国人作家によく出会う、そして大当たりの年のようです。
表題作が最初にあるのですが、SFで泣いてしまった。ああこれやられるわ…の予感的中。
繊細な文体と緻密な計算。「もののあわれ」「文字占い師」は漢字がらみの話、「もののあわれ」は日本人が主人公でした。
15編ともすべて違う味で存分に楽しめます。長編の作品が待たれる作家の1人となりました。
先日、日本人の平均寿命の発表がありましたが、どんどん延びてきています。
健康なままで長生きできればそれにこした事はなく、SFの題材と現社会の境目が無くなる日もやがてくるのでしょうか?
実際、今の年配の方の体力は実年齢からマイナス20歳くらいであるという話も聞いた事があります。
寿命に関する短篇を読んでいる時のタイムリーなニュースでした。
人より沢山長生きしたいというような野望は無いのですが、まだ読みたい本がどんどん増えてきてしまって、それでも全部は読み切れる訳もなく…しかしながら、好きな作家が増えるのは楽しい、幸せな事であると感じております。
ケン・リュウ氏の作品は70編あまりあるとの事、次の出版が待たれます。
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