「青」の民俗学:地名と葬制/筒井功
「青」の民俗学: 地名と葬制
筒井 功
買取価格 270円
色に関する民俗学のタイトルに惹かれました。
全国津々浦々にある「青」の付く地名に関する文献、青木とか青島とかどこにでもあるような地名と古墳や葬祭との関係。
現在のイメージでは葬祭とかそれにまつわるものは「黒」(喪服や鯨幕のイメージ?)ですが、それも明治以降の事のようで、昔は「白」であり、昔の映画を見ていたら喪主が白の裃をつけて野辺送りをしているシーンがありました。
そういえばこの季節の幽霊も白装束で登場しますよね。
「青」の持つ意味が墓地・葬地を意味するものであったという事を初めて文献にしたのが沖縄地理学・民俗学の仲松弥秀氏であり、これを本土に敷衍(ふえん)したのが民俗学者の谷川健一氏であった (本書まえがきより)
確かに読んでいる限りでは柳田國男や宮本常一の本には色に関する文献はありませんでした。
地名は気をつけて、みていましたが色に関してはノーマークな部分だったので、また散歩フィールドワークにも奥行きがでそうな予感です。お盆休みで帰省されている方も移動中の地名に注意をしてみてはいかがでしょうか?
途中に何個かはさまれているコラムもわかりやすく、今はあまり使わなくなった「大字」「小字」「賽ノ河原」に関する話などわかりやすい内容。民俗学なんてよくわからないと思っている人にも興味深く読んでいただける一冊です。
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