独りでいるより優しくて/イーユン・リー 訳:篠森ゆりこ
独りでいるより優しくて
イーユン リー 篠森 ゆりこ
買取価格 872円
原題「Kinder Than Solitude」
うまい邦題です、もうこの訳しかないような気がしてきます。
アメリカ在住の中国人作家、イーユン・リーの新作、「千年の祈り」を読もうと思っていたところに新作が発売されたので、こちらを先に読む事に…
泊陽(男子 ボーヤン)・黙然(女子 モーラン)・如玉(女子 ルーユイ)の幼馴染3人と少艾(女子 シャオアイ)*本書では草冠の下にもう一本あるのですが当てはまる漢字が見当たりません、略字なのでしょうか。本書では最後までルビがふってあるので読みやすいです。
話は年上の少艾の死亡から始まります。語り手が3人交互に出てきます。
それぞれ現在の立場から子供の頃の回想が語られますが、ミステリアスな部分あり、ファンタジー的な部分あり、不思議な雰囲気の作品です。
中国という国がここ数年で大きく変わった事、仲の良かった3人にも大きな変化が起きた事などが語られていくのですが、驚くような伏線も張られています。(ネタばれになるのでこれ以上は言いません)
何回も書いていますが、最近の中国作家事情は知らないと損をする勢いです。
本国では出版できないモノもあるようですが、それだけ彼の国では影響力があるという事でしょうか?
SF・文学すべてのジャンルで油断禁物!!
全編でルビが有る事でこれほど読みやすいとは思いませんでした、読めない漢字の登場人物(覚えれば良いんでしょうけど)というのは意外とひっかかるトコロなのだなと思った次第です。
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