線で読み解く日本の名画/安村敏信
線で読み解く日本の名画
安村敏信
買取価格 972円
今年に入ってから日本画に関する本を読む機会が多く、画集などはあまりに高価な為、取り急ぎwebで画像を見ては、「美術の教科書」で見た事があるなどと確認作業を行っていたのですが、この一冊はかなり参考になりました。
長谷川等伯・伊藤若冲・池大雅・速水御舟など35人におよぶ日本画家の作品解説書です。
私自身絵に詳しい訳でもなく、たまたま読んだ「若冲」があまりに面白かったので関連本を読んでいるうちに日本画が楽しくなってきた次第です。海外の絵画と比べると何か日本画は平面な気がしていたのですが決してそんな事はなく、本書に出てくる永沢芦雪の「虎図」などは飛び出して来そうなカンジさえあります。
和歌山・無量寺の6面中4面に亘って描かれている虎、顔よりも大きく描かれた左脚、力強い後ろ足、描かれていない部分を想像させ、なおかつ可愛い虎。虎自体は3面に描かれているのですが4面目にひげが2本はみ出して、虎の大きさを表現。
単なるぼかしだけでの技術ではなく目の輪郭線等、細部にはしっかり線が入ってぼかしを際立たせています。
などとわかったような事を言えるのもこの本を読んだおかげでして…
35人のまるで違うテイストの画家をわかりやすく解説、絵を見る楽しみが増えました。
日本画はちょっとね…という人にも読んでいただきたい一冊。
個人的には耳鳥斎(にちょうさい)のウマヘタみたいなのがお気に入りです。
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