「孤島での少年達の冒険物語」が帰ってきた!
十五少年漂流記
ジュール・ヴェルヌ 椎名 誠 渡辺 葉
「孤島での少年達の冒険物語」の本家本元が帰ってきた!「わが家の大切な一冊」を父娘が共訳した清爽かつエネルギーに満ちた決定版。
〈絶海の孤島で暮らす少年たち〉物語の元祖にして最高傑作! 熟読してきたシーナ父娘による新訳決定版刊行。
嵐の夜、少年達だけを乗せた船はニュージーランドの港から流されて無人島へと辿り着く。
航海経験のある仏国人ブリアン、冷静な米国人ゴードン、優雅で誇り高い英国人ドニファンなど救いの希望がない中で、十五人はいかに団結し、仲違いし、生き抜いていくのか?この〈孤島で暮らす少年たち〉物語の元祖にして最高傑作を熱読し、モデルの島まで航海した椎名誠と渡辺葉による父娘共訳!
昭和30年代生まれの方々が少年の頃に必ず読んだり、接しただろうと思う本がある、『トムソーヤーの冒険』『宝島」『三銃士』『巌窟王』『ああ無情』そして『十五少年漂流記』。
『十五少年漂流記』は、ジュール・ヴェルヌが1888年に発表した少年向けの冒険小説で、無人島に漂流した少年達が力を合わせて生活していく物語を描いている。日本語版題名としては原題の直訳『二年間の休暇』も用いられるが、題名から内容を推し測ることが出来ないと感ずる。『十五少年漂流記』という題でこの物語を知った私は、原作が『二年間の休暇』と知り、図書館に置かれた、ぶ厚い本を一生懸命読んだ記憶がある。
『十五少年漂流記』というタイトルは、小説家・白石実三氏により命名されたという。後に新潮社が子供向けに内容を簡略化した作品を『十五少年漂流記』というタイトルで1951年(昭和26年)に出版し、昭和時代中頃には完全に定着した。後に福音館書店が簡素化しない、原作に沿った内容の翻訳版を1968年(昭和43年)に『二年間の休暇』というタイトルで出しており、重版を重ねるロングセラーになっているとのこと。
このような背景を知ると、私が手にした「ぶ厚い本」はこれだったようだ。
ジュール・ヴェルヌと言えば、フランスの小説家で、ハーバート・ジョージ・ウェルズとともにサイエンス・フィクションの開祖として知られ、SFの父とも呼ばれている。
『八十日間世界一周』『月世界旅行』『海底2万マイル』が有名なので、『十五少年漂流記』がヴェルヌの作品と知った時は意外な感じを受けたものだ。
この作品をベースにして様々な漫画も描かれている。
なんと、『機動戦士ガンダム』(1979年)。初期の企画が宇宙版『十五少年漂流記』だったという。ジャックが主人公アムロ・レイの原形だったそうだ、確かにホワイトベースは少年たちだけで宇宙を放浪する設定だった。
この設定を積極的に行ったのが、『銀河漂流バイファム』、放映当時(1983年)、『十五少年漂流記』をベースにしていることをキャッチコピーにしていた覚えがある。
そういえば『冒険ガボテン島』(豊田有恒、久松文雄原作の漫画作品(1967年))は、幼いころ夢中でみた漫画映画だ、今思えば『十五少年漂流記』そのものだったと思う。