ナイルパーチの女子会/柚木麻子
2015年09月22日 category : <高価>古本買取情報 タグ: ダーウィンの悪夢
ナイルパーチの女子会
柚木 麻子
買取価格 352円
寝る前にちょっと読んで、残りは次の日に…と思って読みだしたら止まらない。
どうなるのかが気になって結局最後まで読んでしまいました。
「第28回山本周五郎」受賞作品!途中、もう怖くて怖くて…
タイトルにある「ナイルパーチ」は肉食の外来魚。スズキなどの代替えとして給食などにも出されていたというのですから、どこかで誰もが口にしているかも知れません。
『世界の侵略的外来種ワースト100』に入っている魚、かつてはアフリカのビクトリア湖の在来種を絶滅させた魚としても有名なようです。
そんな魚の名前の付いた「女子会」怖くない訳が無いのでした。同性の友達のいない人達が登場人物。
ブックガイドにも「彼女の友情が私を喰い尽す」という文章がありましたが、一番的確な表現。
主人公のあまりの行動に途中ホラー小説かと…本人はまるで悪気が無いのです。むしろそれが親友(相手はそうは思っていない)のするべき事であるという大前提で動いていますが、行動はどんどんエスカレートし、高校時代に起きた悪夢のような事件までさかのぼっていきます。
「女子会」という名前が当たり前のようにあちこちにまかりとおっている昨今、優しい【女子】という言葉の裏側にある複雑な人間関係を見事に表している一冊。
ちなみに先日、ちょっと年配の方々の「女子会」発言に、「OB会ですか?」といらん事を言って怒られたばかりです。
女子は言葉にも敏感…らしいです。
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