万物の根源とは・・?
元素の秘密がわかる本
科学雑学研究倶楽部(編集)
万物の基礎である元素について、それぞれの特徴や名前の由来をはじめ、元素発見の歴史とドラマ、周期表の見方と説明、新しい元素やノーベル物理学賞の受賞で話題になった素粒子まで、さまざまな視点から元素に関する情報をわかりやすく解説する。
すいへーりーべーぼくのふね・・・・。
元素の周期表を覚えた方もおられるだろう。
物は何から出来ているのだろう、古代ギリシャの哲学者たちは、万物のあらゆる生成と変化の根源にある原理を「アルケー」と呼び、これが一体何なのかを論じた。
タレスは「水」、アナクシメネスは「空気」、ヘラクレイトスは「火」とした。
プラトン、アリストテレスなどは、「火・土・水・空気」の四大元素論を主張した。
同時代のデモクリトスは、考え方を変え、これ以上分割できない粒から万物は出来ていると考え、アトムと名付けた。
しかし、彼のアトム論は発展を見ることは無く、ヨーロッパにおいては四元素説がスコラ哲学へ継承されて行った。
時代は流れ、錬金術等を経て、再び、物質の根源は何かという問いを改めて提議した人物がアイルランド生まれのロバート・ボイルだった。彼は実験を重視して元素を探求すべきという主張を行った。
ボイルの主張後、実験によって様々な「不可分なもの」の探求が行われた。アントワーヌ・ラヴォアジエは、当時見つかっていた33種類の元素を纏めた表を採録した。
そして、ジョン・ドルトンは1808年「原子説」を唱えた。これは、物質の根元は原子 (atom) であり、これは元素の種類に対応するだけの数があり、原子量の概念を提示した。さらに物質は同じ原子の集まりである単体と異なる原子の集まりである化合物があるとした。
19世紀には各元素の発見が相次ぎ、それぞれの特徴が把握され蓄積されたが、このような性質がどのような原理で生じるかは分かっていなかった。そして、各元素は不変だと考えられていたが、19世紀末から20世紀初頭にかけ、放射性元素と放射能が発見され、アルファ崩壊が確認された。これによって、一部の元素は原子量を低くする方向へ分裂する事が判明した
原子はさらに素粒子に分けられることが判る、そして素粒子はさらにクウォークに分けられる。物質の根源は何処にあるのだろうか。