執着 生きづらさの正体/香山リカ
執着 生きづらさの正体
香山 リカ
買取価格 518円
「執着」と書いて、「しゅうちゃく」もしくは「しゅうじゃく」と読みます。後者の読みの場合は主に仏教用語で用います。
どちらの言葉も意味としては、物事や人に固執するような悪い意味。ちなみにwebで『執着』と検索するだけで山のように出てくるのが「~を捨てる方法」「~を離せばば幸せになる」などなど。
今、捨てる物の主流が【執着】のようです。モノへの執着が無くなればミニマリスト。では心の執着を捨てれば?
どうなるのかという事を考えつつ本書を読んでみました。
まずはビジネスにさえなっている「復縁」という行為に関する考察。本当の愛か、関係への執着か。
次に親子関係(母娘)での執着。「ため込み症」という病理。若さに関する(美魔女と呼ばれる為の行為)執着。
ストーカーの心理、SNSでの執着、肉親を亡くすと云う事、等。
私たちの身近に転がっている事、悩んでいる事のほとんどが手放せば解決するか、少しは荷が軽くなる心持になれるといった内容を心理学者の立場からわかりやすく解説されています。
日本語のこの言葉はマイナスイメージしかありませんが、英語には「執着」にあたる単語が無いそうです。
かといって執着心が無いという事ではなく、やはり日本には【仏教】があったから、言葉が定着しているのでしょうね。
本書最後に出てくるマインドフルネス療法はグーグルの新人研修でも取り入れられている物。道具要らず、何でもない時にもリフレッシュ効果がありそうです。これもまたブッダの時代の「ヴィパッサナー瞑想」から来たもの。
今、悩んでいる人も、そうでない人も、心が軽くなるための一冊です。