エピローグ/円城塔
2015年11月03日 category : <高価>古本買取情報 タグ: ゼロ年代
エピローグ
円城 塔
買取価格 448円
3年ぶりの長編、映画「屍者の帝国」をみたばかりなので、わくわくしながらページをめくりました。
11月には映画「ハーモニー」の上演も決定したようで、これもまた楽しみ!!
「虐殺器官」に関してはまだ、大人の事情ではっきりした事は公開されていませんが…上映される事を心待ちにしている伊藤 計劃ファンは世界中にいる訳で…誰に頼んでいいかもわかりませんが上映してねっ!!
文字を読んでいるはずなのに映像として浮かんでくるというのは、私の想像力ではなく円城ワールド独特の文章によるモノなのですが、まあ結果、お腹一杯に面白かったです。
古事記にある「一日立千五百産屋是以一日必千人死一日必千五百人生也」
イザナミは毎日千人を死に至らしめると言い、イザナギは毎日千五百人産み出すと言う壮大なるスケールの夫婦げんかの一文が扉に書かれています。
イザナミシステム、と特化採掘大隊の朝戸連、相棒の支援ロボット・アラクネ(しょっちゅう形状が変わるけれど人格?はしっかり面白い)。関連性のないように見えた連続殺人事件を追う刑事クラビト。システム開発者であるおばあさんと孫である高校生、榎室南緒。多重宇宙で起こっているシステムの不具合と実存そのものを商品とする多宇宙間企業イグジステンス社。
エレガントな宇宙で言語を廻る冒険の物語。
読後、SFじゃなくこれは文学、しかも恋愛だった?さては読み方間違えたかと不安にもなり、他の書評も読んでみましたが、あながち間違ってはいなかったようで、ホッとしました。中学生とか高校生に読んでもらって観想を聞いてみたい本でした。
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