寺院消滅/鵜飼秀徳
寺院消滅
鵜飼 秀徳
買取価格 440円
サブタイトル、失われる「地方」と「宗教」
タイトルからしてショッキングではあります。
新聞のお悔やみ欄を見る際、80歳以上の方の名前が多く目立ちますが(中には100歳とか)、「通夜・葬儀は近親者で済ませました」というコメントが目につくようになりました。
これって今話題の家族葬と呼ばれる物なのですね。中には直葬と呼ばれている形の物もあるようで、要は病院⇒火葬場⇒自宅
近親者以外、故人を偲ぶ時間も場所も与えられていない葬儀の方法です。経済事情にもよるのだとは思いますが、こういった方法が増えていけば間違いなくお寺やそこに所属する僧侶の方々のお仕事は減っていくのは間違いないようです。
コンビニの数より寺の数の方が多いという話も聞きました。コンビニですら潰れていく店舗があるのにましてやお寺が存続していくという事は中にどんなカラクリがあるのか?
そんな事も知りたくてこの本を手にとってみました。
読んでビックリ、確かに登録されているお寺の数は多いのですが、住職の存在しない寺の多い事に驚きました。
中には管理をされていないが為に仏像まで盗まれている(御本尊とか)寺院までありました。
そういう不埒な事をする輩には仏罰(あるのかどうかわかりませんが)が当たればいいと思います。
さる僧侶の方とお話をした際にも、黒衣でたまたまコンビニで買い物をしていたところ、すれ違いざまに「縁起悪っ!」って言われたそうです。お坊さんも自分の制服で仕事をして、買い物しただけなのに…なんだか気の毒な話ではありました。
本書では宗教崩壊の歴史を振り返ったり、仏教教団自体の調査報告書も掲載されています。
どうぞ心して読んでみてください。