つまをめとらば/青山文平
つまをめとらば
青山 文平
買取価格 486円
第154回「直木賞」ノミネート作品です。
その他の候補作はこちらでも確認できます↓
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6184822
タイトルと作家さんの名前からして今回は時代小説(市井小説)が2作品候補のようです。(他のは未読ですが、顔ぶれからして時代モノではないっぽい)
「つまをめとらば」のタイトル作品を含め、6つの短篇からなる一冊。
一作目からなんか違う…違和感が…時代小説のかたちはとっているものの…うれしい裏切りの連続で完読。
作品の中で、あらかたの男は根拠があって自信を抱く。根拠がなくなれば自信も失う。けれど、女の自信は根拠を求めない。女という生き物は美醜に関わりなく、天から自信を付与されているのではないか…とあります。
腑に落ちる文章でした、そういえば思い当たる節がポロポロと。最近では出産をしたばかりの友人の顏であるとか…
揺るぎのない安定感というか、何か底知れぬ自信を見た気がしました。(父親はというと、急に父になれるわけでもなく、どこかしら不安げではありましたが、十月十日の時差分は仕方がないかとも)
時代小説のかたちはとっているものの、男女の根底を深く探った作品集でした。
タイトル「つまをめとらば」は与謝野鉄幹「人を恋うる歌」から、YouTubeで美空ひばりが歌っているのを聴きましたが、なかなか奥深い歌詞。曲自体は旧制松本高等学校の寮歌、こちらも見てみましたがなかなか男気溢れる歌でした。
次回は同じく直木賞候補作、梶よう子「ヨイ豊」。
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