虚栄/久坂部羊
虚栄
久坂部 羊
買取価格 487円
昨年末にNHKでドラマ化された「破裂」劇的に人が若返るけれど怖ろしい副作用があり、それを利用しようとする官僚と医師の話でしたが、滝藤賢一がすごく恐かったwww(大好きな役者さんではありますが、役にハマってました~)
原作は医師でもある久坂部羊氏。
今回のテーマは『癌』 2人に1人が発病し、3人に1人が死亡するという現状。
確かにまわりにも手術を受けた人が多数います。他人事ではなく、身近な癌に関する話だったので手にとってみました。
半ばまで、結構医学用語とか専門の話が多く、じっくり読んでいたのですが、後半は一気に読み終わり。
同じ病気であっても、日本と海外の治療方針は異なるようで、もし患者になってしまったら、知識がなければ(もしくは医師の詳細な説明が理解できなければ)病院の言うとおりの治療をしなければいけなくなります。本書の中にQOL(クオリティオブライフ)という言葉が出てきます。直訳では生活の質という事になるのですが、たとえば治療の名目でベッドに縛られている状態が長く続くようであれば、かえって、安心できる自宅で好きな事をして過ごす方が患者には充実した生活になるのでは?というような考え方らしいです。しかし、自分がその立場になってみないと選択は難しい事であると思いました。
健康寿命というのが今でさえ身にしみて聞こえます。人間誰しも他人に迷惑をかけずには済まない動物ではありますが、迷惑は最小限に済ませたいと思う気持ちも多く、読み終わってから色々と考えてしまった1冊でした。
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