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見果てぬ日本/片山杜秀

見果てぬ日本: 司馬遼太郎・小津安二郎・小松左京の挑戦
片山 杜秀
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買取価格 496円

 

サブタイトル【司馬遼太郎・小津安二郎・小松左京の挑戦】とあるように歴史小説家・映画監督・SF作家。

【過去・現在・未来】三人合わせて一つの世界になるという作者の意図で、構成は小松左京・司馬遼太郎・小津安二郎の順番です。

 

小松左京は日本沈没しか読んだことがなかったのですが(筒井康隆は大好きなのにご縁が薄かった模様)慌てて映画『復活の日』を観ました。原作が作られた時期を考えると確かに未来小説、というか、予言SF小説。

いわゆるバイオテロと呼ばれるモノ。かなり長い映画でしたが、見ごたえがあってとても面白かったですよ。(主人公の草刈政雄が若くてカッコ良しっ!)原作も読んでみるつもりです。『さよならジュピター』も併せて…

隣接する国が無い為に古来より続く安心感と、今度も何とかなるだろうという「甘えの構造」

小松左京の作品を通して、日本人に欠けている終末感について著者は語っています。

 

 

1956年「ペルシャの幻術師」で第8回講談倶楽部賞を受賞した司馬遼太郎。数多い作品の最初はモンゴルで始まり、最後の作品となった「草原の記」もモンゴルで終るという蒙古愛に溢れた氏は大阪外語大学蒙古語(モンゴル語)部卒業。

司馬遼太郎の作品から、日本を父系的な東国と母系的な西国に分け『歴史の夜噺』のなかでこう語っています。

「かつて西日本を中心として若衆宿や妻問の風習がありましたが、これは母系社会の民俗ですね。ところが関東というのは、厳格な父系社会の匂いがする。地理的には北アジアから関東に入ってくる太い何かを感じさせますね」

著者はここでは司馬遼太郎の世界感と宮崎駿・網野善彦の世界を重ね合わせています。

 

途中かなりのメモをとりながらの読書となっており、最後の小津安二郎のところまであと少し。

日本とは日本人とは何かを考える為の読み応えたっぷりの一冊です。

 

 

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