小倉昌男 祈りと経営 ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの/森健
小倉昌男 祈りと経営: ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの
森 健
買取価格 518円
春です、移動の季節でもあります。
新しい土地で新しい生活を始める人も多いかと思います。少し慣れてくるとホームシックやら五月病というものを発症する人もいるようですが、そんな時に心強いのが実家からの荷物だったりします。案外中身はこちらでも買えたりするものも混じってはいるのですが、物だけでは無い何か違う温かい物も運んできているような気がします。
今では当たり前のように指定した時間に自宅に届く荷物ですが、このシステムが出来上がったのは1976年。
それまでは荷物を送る事は出来ても(郵便か鉄道ですね)、いつ届くかもわからないような状態であったといいます。
最近はスマホやパソコンで簡単に荷物の追跡もできるので本当に便利になりました。
家庭や会社で荷物を受け取り、相手の玄関先に荷物を届ける…日本で初めてのサービスを開始したのがクロネコでお馴染のヤマト運輸。宅急便のシステムを確立した2代目社長であった小倉昌男氏にまつわる第22回小学館ノンフィクション大賞受賞の本作品。
剛腕の経営者ではないかと思っていたのですが、今まで持っていたイメージとは違い、敬虔なクリスチャンでもあり、柔和な人物であった事が本作品を通じてうかがわれます。
宅配便事業の話ではなく、なぜ、小倉氏が障害者福祉事業に財産を投じチカラをいれたか、そして何を祈っていたのかがテーマとなっています。
わかりやすい文章と優しい人柄、ノンフィクションは苦手と思っている人にも、この本はおススメです。
←「芸術と科学のあいだ/福岡伸一」前の記事へ 次の記事へ「悩み多き春先対処本」→