陽気なお葬式を買取りました
陽気なお葬式 (新潮クレスト・ブックス)
リュドミラ・ウリツカヤ 奈倉 有里
買取価格 777円
「自分の死が受け入れられ、愛でみたされるように。不思議な祝祭感と幸福感に包まれる中篇小説。」
というコピーとタイトルに魅かれ手に取ってみました。
主人公は亡命ロシア人の画家アーリク、重病で瀕死の状態。そして主人公をとりまく5人の女性達、妻であったり、愛人であったり友人であったり、一般的な社会からは何となくかけ離れた育ちや環境ではあるのですが、みな心優しい人達ばかり。
読後、確かな幸福感に包まれました。
がん哲学外来の樋野先生も書いてます「死ぬのは確実、いつ死ぬかは確率」
誰にも公平に訪れる死という問題と他者に与える影響、こんな風に終活できれば幸せではなくとも、残された人たちは絶望と悲しみだけで染まることは無いのではないかと…最近巷で流行っているらしい家族葬というものがありますが、名称の使われ方が何か引っかかってはいました、通常の葬儀に対して、かかる費用を抑える意味合いで使われる事が多いようです。
本来の意味での家族葬とは息を引き取る前から終わりまで、こういう形が理想ではないかとも思いました。
映画おくりびとの中で、葬儀社の事務員さんが棺桶のグレードを説明しながら「人間、最後の買い物は自分で決められない」というようなセリフを言います、まったく、そうなんですよね。選べない、どんなにいろいろ準備しておいたとしても自分では何もできないんですもんね。個人的には痛くなくて、苦しくなく迎えられればいいなとか考えますが、それすら選べない。
桜の季節目前にしてお葬式やらエンディングについてしばし考えてみました。