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数学する人生を買取りました。

数学する人生
岡 潔 森田 真生
4103398914

買取価格 568円

 

「数学に限らず、情的にわかっているものを、知的ににいい表そうとすることで、文化はできていく。」本書(最終講義より)

 

本書は孤高の天才数学者・岡潔の随筆を再編集したものです。ベストセラーにもなった新聞連載の「春宵十話」が出版されたのが1963年。

50年以上経ってもいまだ人気のある名随筆ですが、本書はそれ以外の随筆のよりすぐりとなっています。

 

道元・芭蕉、そして芥川龍之介がたびたび登場します。

芥川の「ギリシャは東洋の永遠の敵である、しかしまたしても心がひかれる。」

芭蕉の「蛸壺やはかなき夢を夏の月」

道元の「聞くままにまた心なき身にしあらば己なりけり軒の玉水」

仏教の「諸法無我」という言葉を通して、本当の幸福を感じる心を養う努力をしなければならない事を説いています。

一日をどのように過ごすか、人間らしく生きるにはと云う事に関しても芭蕉や道元の言葉を通して語っています。

 

作者は中谷宇吉郎(加賀出身の理学博士で寺田寅彦の弟子)の弟である考古学者中谷治宇二郎との親交も厚く、3年間のフランス留学時の交流の様子も描かれています。扉に写真が何点かありますが、布団の上で何かを書いていたり、木に寄りかかっていたりする写真は孤高の数学者というより、哲学者のようでもあります。

それしても物理学者・数学者には本当に名文を書かれる人が多いですね。

 

 

春先の障子越しの日差しの中で寝転がって読みましたが、途中何回かハッとする言葉があり起き上がりました。

本業の数学も少しは登場しますが、どちらかと云うとやわらかい、読んでいて気持ちのすっと軽くなるエッセイ集。

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