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「父を想う ある中国作家の自省と回想」本を買取りました。

父を想う: ある中国作家の自省と回想
閻 連科
4309207049

買取価格 540円

 

中国本土では度重なる発禁処分を受けている著者の幼年時代から青年時代に至るまでの話。

江蘇人民出版社の本書の帯には「最も論争の多い作家・閻 連科の最も論争の少ない作品」というコピーがつけられたとの逸話もありました。

 

日本での出版点数は数少ないのですが、出ている限りは読んでみました。

「愉楽」「丁庄の夢」「人民に奉仕する」等、どれも赤裸々な中国を表現している部分があり、ショッキングな内容で…そしてそれを文章にすると発禁になるという…

 

本書は著者が過ごした貧しい農村地域の生活と父、そして二人の叔父を回想するという内容になっています。

 

3年続いた飢饉の間に人々は木の河を剥ぎ煮出して飲んだと言います。多くの人が亡くなり、弔う事も出来ずに放って置かれたとも…突然の天災ならばまだしも、なすすべは無かったのでしょうか…飢饉が去った後にも現金収入の少ない農村でお金を得る手段として、真冬の河を腰まで水に浸かって石を運ぶ話など生活そのものが過酷、食事も満足に摂れない日々も続きます。その頃の中国の事情としてはそれも当たり前であったのかもしれませんが、今の日本に生きる自分にとっては信じられない話ばかりでした。

 

著者はこうも言っています「人生は休みことなく行進を続ける蟻である。そして運命は、突然振り下ろされる足だ。人生は農作物の受粉と結実である。そして運命は、受粉や結実のときに襲ってくる暴風雨だ。」(本書より)

 

父や家族を想う著者の優しい気持ちに読後、心が強くなれそうな一冊です。

 

 

 

 

 

 

 

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