「死者が立ち止まる場所 日本人の死生観」本を買取りました。
死者が立ち止まる場所: 日本人の死生観
マリー・ムツキ モケット Marie Mutsuki Mockett
買取価格 366円
先週オリンピック中継のさなか、京都五山送り火の様子がBS2局で生放送されていました。火床からの中継も入っていてなかなかの臨場感でしたが、あいにくの雨。(ちらっとチャッカマンの様なモノが見えた様な…う〜ん、多分気のせい)
お盆の間に帰って来た御霊を元の場所に送り帰すという宗教儀式ですが、いつ頃から始まったかは定かではない様です。来月になればお彼岸もあり、行ったり来たりと今時期は結構あちらの世界でも忙しそうですね。
今日の本はアメリカ人の父と日本人の母の間に生まれた著者が、父を亡くし、喪失感から立ち直れないまま、日本の被災地、永平寺、高野山、恐山などを巡って行く旅です。
子供の頃から母に連れられ何度も日本を訪れていた著者、被災地でお寺を守っている親戚もあり、日本にやってきますが目の前に広がる光景はかつてのものではなく…仮設住宅には突然家族を亡くした人々が心の痛みを抱えたまま、日々の暮らしを送っているのを目の当たりにします。
旅の終わりも近づいた頃青森の恐山を訪れます、死者の口寄せをするイタコと呼ばれる人と会い、父親を呼び出してもらうのですが、ロジックでは考えられない事も起き動揺も隠せなくなります。
仏教が日本に伝わって約1200年くらいですが、お寺の立ち位置は今では大きく変わってきています。行事のためだけのお寺になったのはお寺自身の責任でもあると本書の中で語っている僧侶もいます。お盆の行事などを終えて私たちが当たり前だと思っている事も外側から見れば不思議な事だらけなんですね…
あちらの立場になったりこちらの立場になったりしながら読み終えました。