「四百三十円の神様」本を買取りました。
四百三十円の神様
加藤 元
買取価格 486円
タイトルにある《四百三十円》は牛丼並盛り➕卵の値段。神様とついているので志賀直哉の「小僧の神様」を思い出していたのですが、この神様はもっとリアル。人としてはちょっとダメなところもある主人公だけの野球の神様。
何かにつまづいてしまった時、先に進めなくなってしまった時、そっと背中を押してくれる様な神様、いるだけで元気の出る神様。誰にでもいる心の神様、ちなみに私にとっての「ギターの神様」と呼べる人は3人はいます。(3人は多いだろ〜と思われるかもしれませんが、これからもまだ増える可能性大!)
「腐ったたぬき」は簡単な動機から入った文芸部、しかし、研究会なるものに初めて出席した主人公のミキは気づいてしまいます。恐ろしい虎の穴だと…しかも自身がどっぷりハマってしまう穴であると…
これはちょっと笑いながら読めました、俗に云う腐女子、分福茶釜のたぬきが何故かBL論で解析されていきます。
やりとりのテンポが良いので、かなりいい感じ、ニコ生の芥川賞・直木賞の実況中継のようでした(*^^*)
衝撃の「蛇の道行」以来の2冊目に読んだ短編集。じんわり締め付けられるような不思議感覚の前作のようなものかと思って読み出したら全然違うっ!むしろじんわりあたたかくなりような一冊、すごい作家さんだと思います。
7つの短編からなる本書ですがどれも読み始めはアララと思う様な環境であったり、これはシンドイと思う様な登場人物の環境であったり…でもどこかに光明があるというか、なんか読んでいて元気が出る本でした。
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