「思想の月夜」本を買い取りました。
買取価格 824円
今年は海外文学もなるたけ読んでみようという志をなんとなく立てていました。
英語圏の本が多かったので、軽く意識して大陸の本にも挑戦。
デリケートでややこしい政治的、思想的な部分は別として、純粋な文学作品の一つという認識で読んでみました。
まずは本書裏表紙に書かれている著者来歴から…(1904年〜没年不詳)朝鮮時代末期に開化派として活動した父をもち、一家の亡命や放浪、あいつぐ両親の死により、孤独な幼少期を送った。高等普通学校時代、学校改革運動の首謀者として退学処分となり、その後来日、早稲田大学、上智大学に留学した…略…しかし50年代の粛清の嵐にさらされ、60年代以降は消息が途絶えた。とあります。
「思想の月夜」という長編と5つの短編集からなる本書。長編はそのまま著者の生い立ちであるというのは訳者の解説を読んでわかりました。
比較的裕福な環境に生まれた主人公でしたが、両親の死後、姉とまだ乳飲み子であった妹とともに母方の祖母によって育てられます。その暮らしは貧しいなどというものではなく、食べるものも満足ではないような状態。
そんな幼少期から青春時代を慰めていたのは勉学とどこにいても変わらない月。
どの時代でも主人公である松彬はよく働き学びます、その原動力は一体どこから湧いてくるのか?
祖母は言います、勉強して偉い人になるまで何年でも待つと…
最後まで読みきれたのは、ややこしい事を差し引いても本書の文学性が高いから…ではないかと思った次第です。
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