「好きなひとができました」本を買い取りました。
好きなひとができました
加藤 元
買取価格 604円
付き合っている相手にこう告げられたら結構なダメージを喰らいそうなワードがタイトル。
この言葉の裏には「君が嫌いになったのでは無いよ〜、君より好きな人ができちゃったんだよ」とも取れたりする残酷な宣告。悪いのは私では無く、後から出てきたあなたのせいよっ!このドロボー猫!o(`ω´ )oというような構図も浮かんだりして、その場には絶対に居合わせたくは無い…、ましてや当事者なんて、ノミほどの心臓も持ち合わせていない私としては想像するだけで脂汗が出ます。
主人公は次から次と人を好きになっていきます。誰とも長く続く事は無く、それは仕事も住む場所も同様。
「自分が本当に好かれているのかも、本当に相手を好きだったのかもわからなくなる。そして、そのうち、次の誰かが現われる」恋人にも名前で呼ばれる事を嫌う神崎登吾は一体どんな人間なのか?
付き合っていても実は人を好きになるという意味がわからない、一度は期待に応えるけれどおかわりは求められたくない…恋愛依存症というような言葉では図ることのできない心の闇。その闇はどこからきてどこへいくのか。
第1話からどんどん引き込まれていきます。結局、最後まで本を離す事無く一気読み。
妖怪の名前の意味は後からジワっと効いてきます。
牛丼なら完食するまでドンブリをカウンターに置く事も無く食べる…みたいな…食欲はさすがにそんなワンパクでは無いのですが、この本の吸引力はハンパ無いっ!
加藤元さんっ!すごすぎるっ!何度こんな風にやられるのか…次の本はいつ出ますか?
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