「クモの糸でバイオリン」本を買い取りました。
クモの糸でバイオリン (岩波科学ライブラリー)
大崎 茂芳
買取価格 388円
お釈迦様がぶらぶら歩いていて地獄の底を覗いてしまい、うっかり助けようとして垂らしたのが『蜘蛛の糸」
夏の夜、木や草のある場所で顔についてしまうと、かなり気持ちの悪いのも『蜘蛛の糸』
どちらかというとヒールな蜘蛛ですが、そんな蜘蛛と付き合う事40年。
大﨑先生が蜘蛛の糸で壮大な実験を始めてから30年。
ついには120Kgの人間を吊り下げ、2tトラックを引っ張り、次に先生の思いついた事がまた壮大な実験なのでした。
軒下とかに張られてしまう蜘蛛の巣は通常、放射状の円網。縦糸と横糸の2種類かと思っていたら、なんと糸の種類は枠糸、繋留糸、縦糸、横糸、こしき、附着盤、牽引糸、の7種類。
掃除する際にほうきとかに絡みつくベタベタ成分が付いているのは横糸のみ。
実験で使用するのは蜘蛛の命綱でもある牽引糸。これをある程度の長さで採取できるようになるまで約5年かかったとの記述もありました。
さて本書ではこの糸を利用してバイオリンを弾くという実験。
先生弦楽器は初めてらしく、ウクレレとバイオリンと迷いながらも大阪音楽大学を訪問。
楽器博物館で偶然居合わせた担当者はバイオリニストの松田淳一先生。
せっかく実験をするのであればバイオリンでとの松田先生からのアドバイスもあり、大﨑先生バイオリンを購入します。
多くの実験を経てバイオリンの弦は出来上がり論文も完成します。
しかし、その反響は思わぬものでした…ここから先は本書を読んでのお楽しみです。
蜘蛛の糸のこれからの可能性を秘めた、理系でなくても楽しめる身近で壮大な実験の一冊です。