「プリズン・ブック・クラブ コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年」本を買い取りました。
プリズン・ブック・クラブ–コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年
アン ウォームズリー 向井 和美
買取価格 700円
活字離れ・本離れと云われている昨今ですが、読書会・読書クラブは年々盛んになっているようです。
共通の本を一冊決めて、読後にみんなで話合う形式から、ノンジャンルで好きな本の事を語る(ビブリオバトルの柔らかい感じでしょうか)形式のものまで。
やり方は様々ですが、何れにしても本を愛する人々が集う会はなんだかステキです。
今回紹介するのは刑務所内に読書クラブを作ったというノンフィクションです。
場所はカナダのコリンズ・ベイ刑務所。
トロントから車で二時間ほどのキングストンに連邦刑務所はあります。
中警備の刑務所とはいうものの、著者のアンは以前ロンドンで強盗に襲われた過去もあり、友人のキャロルから読書クラブの図書選定委員になって欲しいとの言葉に戸惑ってしまうのでした。
いろいろと悩みながらも一度だけでも行ってみようとするアン。そして読書会は開かれますが…
ドレッドヘアにサングラスの受刑者に「あんたのようなきちんとした人が、なんでおれたちみたいなワルといっしょにいたいんだ?」と聞かれます。
「いい本を選びたいからよ」と筆者。
読んでいてちょっと不安にもなってきます。
個性のある面々、本を一冊読むたびに読書の世界に引き込まれていく彼ら、そしてアン自身も一年も経たないうちに他の刑務所でも読書クラブを立ち上げる事になったり、出所後の彼らとのささやかな読書会があったりと、ノンフィクションならではの展開と読み応えでした。
「彼らが夢中になっているのはもはや麻薬ではなく書物なのだ」本書オビより
クラブで使用された本のリスト(邦訳があるかどうかも)も巻末に全て掲載されています。