「炸裂志」本を買い取りました。
炸裂志
閻 連科 泉 京鹿
買取価格 1,224円
ノーベル賞に最も近い作家待望の新作!!
443ページ二段組、圧巻の本作です、二日かけて完読。
まずは表紙の白いカラスの仮面に驚きました。
中国ではカラスは縁起のよくないモノ、そして花嫁衣装のようにも見える白も葬儀などの色。
(画像で検索しましたが結婚式の衣装ではないようです)
不穏な表紙の画像ですが、日本版の仕様です。
検閲に壁はあるかもしれないが、わたしの心の中に壁はない。本書帯より
作家閻 連科が炸裂市市長に頼まれて、市史を書く事になるというところから話は始まります。
莫大な報酬を約束された作家は、村民100人足らずの村が、鎮から県、市になるまでの歴史を掘り起こします。
村を豊かにする為に貨物列車から荷物を強奪、村のほとんどが万元戸になっていきます。
24歳で村長になった孔明亮と、父の復讐を誓い風俗店を営む朱穎。
孔家と朱家は対立する関係なのですが、お互いの利益のために結婚する二人、そして孔家の三人の兄弟。
学校の先生で堅実な生活を送っていた長男は朱穎の計略によって離婚してしまいます。三男も同じく人生が狂っていきます。ハタから見るとまともなのは四男だけのようなのですが、後半でこれもまた…
朱穎は本当に父親の復讐を遂げられたのか?孔明亮の手に入れたかったモノはなんだったのか?
今まで読んできた作品の中で一番重いモノでした。
炸裂市は実存しませんが、ここがモデルでは?と思われるところは複数あり、今の中国の現状を色々と描いているのだろうなと思いました。これでは確かに本国で発禁になってしまう…
今一番のオススメの一冊です。