「本を読むひと」本を買い取りました。
本を読むひと (Shinchosha CREST BOOKS)
アリス・フェルネ デュランテクスト 冽子
買取価格 701円
アンジェリーヌばあさんの宝物は、5人の息子、4人の嫁、8人の孫。でも、そこに「本」はなかった。
本書帯より
フランスに住み着いて400年にもなるジプシーの一家と、その子どもたちに本を読み聞かせにくる不屈の図書館員の2年にわたる日々を綴ったもの。
フランスでは20年に及ぶロングセラーが邦訳になりました。
頑固なアンジェリーヌばあさんの一家は誰も学校に行けず、誰も字を読む事も出来ません。
幼い子どもたちも同様なのですが、ある日黄色いルノーで現れたエステールは子どもたちに本を読んできかせます。
やがてそれは大人たちも少しずつ心待ちすることになっていきます。
久しぶりに心が柔らかくなるような心地になった一冊でした。
国民の文字が読めるかどうかという指針に識字率というものがありますが、日本は江戸時代から識字率はかなり高かったようで、貸本や絵草紙などの出版物の多さと、誰もが本を読んでいる事に海外から訪れた人々は驚いたという記録があります。
あまり裕福でない家庭でも、寺子屋で基本の「読み・書き・そろばん」は習っていたようです。
海外の本の場合、羊皮紙のしっかりした、見るからに立派なものが多いのに比べて、日本は和綴じの10枚くらいの簡単な読み物などが貸本となって多くの人の目を楽しませました。
(実際手にとって見ましたが、恐ろしく文字が小さい!それを読んだ事にも驚きましたが、版画になっているので、彫った人の腕前にも感服!)
本の与える影響の素敵さに気づく一冊でした。