「深い穴に落ちてしまった」本を買い取りました。
深い穴に落ちてしまった
イバン・レピラ 白川 貴子
買取価格 554円
森の中の深い穴に落ちてしまった兄弟。
穴の中は深く、すり鉢をひっくり返したような形。
見上げれば穴の大きさの空は見えるけれど、穴の淵には到底手が届きそうも無い。
何日も穴の中に入るため、弟の方は幻覚を見るのか、わからない言葉でわからない話をしだすようになってしまいます。兄の方はなぜか筋トレに励みながらも外に出る方法を考えようとします。
閉じ込められて3日たち、一週間がたち月の満ち欠けがひとまわりする期間が過ぎても、兄弟は穴の中。
名前も年齢もわからない2人、穴の様子を伺って立ち去るのは?
大人の寓話とか「星の王子さま」の例えとかがありましたが、一回読んだだけでは謎が多く残る作品。
各章ごとの見出しもいつのまにか大きな数字になっていて、よくよく見ると素数…
弟が兄に話しかけるシーンで「…数字にはひとつひとつ、対応する言葉があるから、そのうち数字だけで物がいえるようになるんだよ…」その意味するところは?やはり何回か読まないといけない本らしい…です。
ピラミッド状の穴の意味するところ、袋の意味するところ…そして素数。何かの比喩なのかもしれませんが、未だわからず…
閉所恐怖症気味の自分としては絶対に遭遇したく無い穴…と思いながら、また読み返してみようと思います。
扉のマーガレット・サッチャーの言葉もベルトルト・プレヒトの言葉もこれを読み解く鍵なのでしょう。
映画化も決まっているとの事、どんな映像になるのかが楽しみでもあります。
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