「墨龍賦」本を買い取りました。
墨龍賦(ぼくりゅうふ)
葉室 麟
買取価格 503円
カバーの龍に見覚えのある人も多いかもしれません。
「京都建仁寺方丈障壁図」の一部「雲龍図」。現在は京都国立博物館に保管されています。
墨一色だけで描かれた今にも飛び出してきそうな龍。
絵師海北友松の有名な作品の一つです。
春日局が海北友松の息子である絵師小谷忠左衛門に語るところから本書は始まります。
覇王と呼ばれた織田信長による浅井家滅亡、本能寺の変を経て、大阪冬の陣までの波乱の時代を生きた画家の一生です。
龍は仏の教えを助ける八部衆の一つで龍神と呼ばれる。多くの寺で僧侶が仏法を説く法堂の天井に龍を描く。龍神が水を司る神であることから、仏の教えである方の雨を降らすという意味が込められている。(本書より)
そういう事なのですね、お寺には龍がいるものだと思っていましたが、深い意味があったのですね。
不安定な時代においては戦で家を絶やさないように、後継以外は養子に出されたり僧侶とされたり、武士として生きたくても生きられなかったというような事がありました。
いつか還俗して家を再興させたいという気持ちを持ったまま、僧侶として絵師として過ごしていく友松ですが、蛟龍とあだ名した明智光秀や春日局の父でもある斎藤利三、安国寺恵瓊との交流によって自分自身の絵を確立していくのでした。
こないだから斎藤道三に縁があるようなので、大河ドラマにもなった「国盗り物語」(司馬遼太郎)も合わせて読んでみようかなと思っています。
斎藤道三と検索すると必ず登場するので、読んだような気になっていましたが未だ読んでいなかった事に気がつきました。