「ジェリーフィッシュは凍らない」本を買い取りました。
ジェリーフィッシュは凍らない
市川 憂人
買取価格 444円
第26回鮎川哲也賞受賞作品。
北村薫氏、辻真先氏、近藤史恵氏の選評が巻末に掲載されています。
帯には三氏の絶賛の声も…
タイトルにあるジェリーフィッシュとはクラゲの事。
本書の中では複数の意味を持つ単語になっています。
「知ってる?海月って、氷点下の海の中でも泳ぐことができるんだよ。たとえ凍ってしまっても、温かくなればまた生き返るんだって」
新型気嚢式浮遊艇「ジェリーフィッシュ」最終確認試験の最中に雪山に閉じ込められ、6人の乗船員が次々に死んでいき、そして誰もいなくなった…
近未来小説ではなく、1983年、特殊技術で開発され航空機の歴史を変えた小型飛行船「ジェリーフィッシュ」
その開発メンバーを巡る人間関係と完全なる密室殺人事件。
遺体から確認される事実は全て他殺、犯人はどこにいるのか?それとも被害者の中にいたのか?
一気読みしてしまいましたが、これが新人作家デビュー作とは…これは目を離せない作家さんの1人となりました。
通常謎を解く側の警察やら探偵のようなポジションの人にスポットが当たって話が進行しそうなものですが、結構個性のある警察の2人はちょっとした脇役というか、解説する人みたいな感じです。
日本が舞台ではなくて架空の国(おそらくあそこであるのは年代とかを鑑みるとわかりますけどね)、80年代なので、今の小道具は当然登場しません(スマホとかインターネットとか)。
最後の最後まで気を抜けない一冊、久しぶりの場外ホームランとなりました。
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