「テロリストの処方」本を買い取りました。
テロリストの処方
久坂部 羊
買取価格 407円
本格医療ミステリー!の帯に白い巨塔的なモノかと思って読み出したら、違いました。
格差社会と云われてからかなり時間が経過していますが、日常の生活だけではなく、医療の世界でも格差は広がっているようです。
本書の中ではこれからの日本を予見するような、医療格差。それと同時に診察する側の医師自体にも極端な「勝ち組」「負け組」が現れ、その差はどんどん広がっていきます。
億単位で儲かっていく側と、経営難からホームレスになる者まで…
そんな「勝ち組」を狙ったテロが起き、現場には「豚ニ死ヲ」の文字が必ず残されているのでした。
同じ大学の医学部を卒業した同窓の中で、今の医療を変えようとする人間やそれを支持し利用しようとする人間など、複雑な人間関係が見え隠れします。
難しい医療用語などは出てこないので読みやすかったのですが、病院で受ける検査って本当に全部必要なの?と思うことしばし…人口当たり世界一を誇るCTスキャン。(身体を輪切りにして見れるヤツですね)
レントゲンの7倍近い金額もさることながら、その被ばく量はレントゲンの100倍近いという話。
診断を受ける方は素人だから、云われた通り検査するしか無いのだけれども、リスクの説明ってちゃんとされているの?なんて考えてしまいました。
大きな病院に行けば行くほど待ち時間が長くて、診察時間は少なくなるという、なんだか腑に落ちない事実はかなり前から起きていますしね…検査結果だけで触診すら無い診察って一体?
読めば読むほど、テロリスト部分の怖さもさることながら、医療現場が怖くなる一冊でした。