「コーちゃんと真夜中のブランデー」本を買い取りました。
コーちゃんと真夜中のブランデー
高峰 秀子
買取価格 502円
昭和の大女優、高峰秀子さんの未収録エッセイ集。
今では珍しくない子役ですが、4歳で映画デビューし、その後もたくさんの映画に出演し続けた高峰さん。
自分の意思では無く、周りの大人(親族など)に振り回されるという女優人生でしたが、このエッセイを読むと、心底強く優しい人であった事がわかります。
書き慣れた文章ではないのだけれど、本人の人柄が出ているエッセイの数々。
養女である斎藤明美さんがあとがきを書いていますが、決して平坦ではなかった人生の半分。
出席日数の少なさで行きたかった女学校も退学、女優として入ってくるお金は全て養母に使われるという逃げ出したくなるような環境。そんな生活が続いてもこれほど穏やかな性格でいられたというのがなかなかすごいです。
表紙になっているポートレートはおいくつの時かの記載はありませんが、本当に美しい人です。
気取ってないけれど品があるというか、人間性まで写し取るのが写真であるのなら、この表紙は女優高峰秀子さんの全てを物語っているようです。
女優を引退してからは夫の映画監督松山善三さんの助手をしたり、家事を楽しんだりする様子が他のエッセイにもなっています。
タイトルのコーちゃんとはシャンソンの女王越路吹雪さんの事。
眠れないと言っては真夜中に電話をしてきて、そのまま寝巻き持参で高峰さんのベッドに潜りこむコーちゃん。
この二人の伝法な口調ではあるけれど、ホントに仲のいい関係であったエッセイがタイトルになっています。
読むだけで癒される珠玉エッセイ集。