「人みな眠りて」本を買い取りました。
人みな眠りて
カート ヴォネガット Kurt Vonnegut
買取価格 538円
早川のSFコーナーでよく見た名前なんで、SFかと思いながら読んで見たのですが、すごい嬉しい裏切り!!
没後10年記念で出版された本書は珠玉の短編集。
ヴォネガッドの影響を受けた作家といえば村上春樹、高橋源一郎などが挙げられるようですが、爆笑問題の太田さんが熱狂的なファンであるというのはウィキで知りました。
今手元に「大森望氏絶賛!」という帯の付いた本があります「グラウンド・ゼロ」←この本に関してはまた後日…
偶然にも本書は大森望氏翻訳です。
翻訳がいいせいか、面白かった〜( ´∀`)
様々な事情でお金を稼がなければ無かった若い頃のヴォネガット。
養うべき家族の他に孤児となってしまった姉の4人の子供たち。
雑誌の要求にある程度まで影響された本書はマウストラップ小説の真髄を発揮しています。
マウストラップ(ネズミ捕り)小説は読者をひっかけたり罠にはめたりするためにある。読者を物語の複雑な(しかし複雑すぎない)からくりの中でひっぱりまわし、結末では、檻がぱたんと閉じて、読者を捕まえる。(本書解説より)
タイトル「人みな眠りて」はクリスマス・ストーリー。
クリスマスの嫌いな編集長と、イルミネーションコンテストにまつわる、くすっとする話。
冷蔵庫なんだけど顔がついていて喋ったり歌ったりしながら、営業マンと旅する話「ジェニー」など。
今から70年近く前に書かれた話とは思えないようなものまで、素敵な短編が16編。
梅雨空のちょっと肌寒い夜に読んで見てはいかがでしょうか?
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