「あとは野となれ大和撫子」本を買い取りました。
あとは野となれ大和撫子
宮内 悠介
買取価格 608円
第157回直木賞候補作!
舞台は中東の小国アラルスタン、戦乱によって孤児となり、後宮に引き取られた日本人ナツキ。
後宮の若者のリーダー、アイシャ。どのグループにも属さない一匹狼のジャミラ。
架空の国アラルスタンの内戦や若い指導者たちをめぐるエンタメ小説。
もめていない時が無いという印象の中東の方、あまりによくわからないので苦手な地域という認識です。
それでなくても暑いのが苦手なのでなかなか興味もわきにくい…
しかしっ!食わず嫌いはよく無いと思い、この本を読んで見たところ、(架空の国ではありますが)砂漠に囲まれた土地でも美味しい物はあるわけで、登場する食べ物の描写に魅かれながら一気読みしてしまいました。
さて本書は後宮と呼ばれるところで暮らす若い女の子たちが主役、以前の後宮は王の寵愛を受ける女たちの居住スペースであったのですが、ナツキたちの世代では将来有望な才能を持ちながら、様々な理由で住む場所を失った少女達がそれぞれの才能を伸ばし政治家や外交官、研究者になるべく勉学に励む場所となっています。
そんな機会を与えてくれた現大統領の暗殺から、事態は一変します。
国を守るべく後宮の少女達が立ち上がるのですが、旧体制派との対立や、テロや環境問題…盛りだくさんな内容ですが、途中「ママチャリ」で旅する日本人なども登場し、一瞬和んだりします。
驚きのエンディングまで377ページ!
中東や政治が苦手な人にも手にとっていただきたい一冊です。
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