「平家物語 犬王の巻」本を買い取りました。
平家物語 犬王の巻
古川日出男
買取価格 446円
【犬王】[生年不詳〜1413年5月9日没]南北朝〜室町期の能役者、能作者。同時代を生きた観阿弥・世阿弥の父子と同様に三代将軍足利義満の愛顧を受けて、むしろこの二者よりも贔屓にされていたと伝えられる。
表紙に描かれている犬王は頭巾をかぶり瓢箪をくりぬいた面をつけています。
覗く二つの目はどこか邪悪な香りが…
父親の妖術による交渉のために恐ろしい姿で生まれ落ちた犬王。
その姿は全て覆われ、ほったらかされ、誰からもかまわれる事もなく…
そしてもう一人の主人公友魚(ともな)、壇ノ浦で遺物を引き上げて以来、光を失ってしまいます。
父親も亡くし、失明してしまった友魚はそのわけを知るべく都に上ります。
旅の途中で琵琶法師の弟子となり、亡霊である父の声を聴きながら旅を続けます。
教科書でも登場する「平家物語」、なんだかわからないまま、祇園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり…というくだりだけは記憶の片隅に…
そんな平家物語異聞とも云える本書。
字も大きく、読みやすいはず…なのですが、なんだ?これは?
二回三回と読んでみて新たな発見がある面白さ…
遺物が何であったか、犬王の受けた呪詛とは…
彼の国中国では古典が若い人に読まれなくなって久しいというニュースも耳にしました。日本では古典回帰のブームが来ているのでしょうか?以前読んだ「ギケイキ」(町田康)もかなり面白かったし、夏休み本に池澤夏樹・個人編集 日本文学全集「平家物語」を入れようかと考えています。
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