「月の満ち欠け」本を買い取りました。
月の満ち欠け
佐藤 正午
買取価格 604円
第157回直木賞受賞作品。
以下、本書帯より
この娘が、いまは亡き我が子?
いまは亡き妻?
いまは亡き恋人?
そうでないなら、
はたしてこの子は
何者なのか?
ミステリーか?SFか?とも思わせるようなコピーです。
最初の部分は???何だろう?よくわからないな〜?なんて思いながらも気になって、結果一気読みでした。
自分の子供が誰かの生まれ変わりだとしたら?そして身近な人がやはり誰かの生まれ変わりで、生前の約束のサインを送って来たとしたら…
魂の質量保存の法則があるとしたら、俄然現実味を帯びてくる話ではあるのですが…あまりの短いスパンの話だと本書のように周りが非常に混乱することになりそうですが…
帯にあった「衝撃のラスト」というのはこういう本のためにあるのだな〜としみじみ実感。
不覚にも泣きそうになってしまいました。
生まれ変わりの話というのは日本だけではなく海外にも多く、本書の参考文献「前世を記憶する子どもたち」という本にも様々な例があるようです。
確か小泉八雲にも生まれ変わりの子供の話がありましたね。
魂だけは出会った時のままで、容れ物であるカラダは別となると…それはそれで苦しいものがありそうです。
気持ちを伝えるのにもままならない、本人は若く、相手は年齢を重ねているわけで…
本書がオカルトじみた話になっていないのは、さすがの筆者の力量、しかもラストすごいし…
お互い前世なんか知らないままに今の世界があるのは実は幸せなことなのではないか?とも思ってしまった次第。
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