「ピンポン」本を買い取りました。
ピンポン (エクス・リブリス)
パク・ミンギュ 斎藤 真理子
買取価格 747円
「突然空から降ってきたピンポン玉と、明るく見える街のどこかで殴られている中学生。それが作家の頭の中でぶつかり、はじけて生まれたのが本書だ。」(訳者あとがきより)
毎日、中学校でいじめられている僕「釘」と「モアイ」。
突然原っぱのど真ん中に現れた卓球台。会話すらした事のなかった二人がいつしか卓球台で卓球をするようになる。
いじめにあうってことはさ…のけものじゃなくて、なきものにされてるってことなんだ。みんなから?ううん、人類にだよ。
卓球用品店主「セラクテン」、卓球をするためにスキナー・ボックスで育成された「ネズミ」と「鳥」との試合。
しかも勝利者には人類をインストールしたままにしておくのか、アンインストールするのか、選択権があるという…いじめられている中学生男子が、人類の運命を決める!
今を生きるリアルな中学生の生活と現実から逃げたくなるようないろんな人がいる「ハレー彗星を待ち望む人々の会」とか、様々な人々がリンクして…
セリフの一部の文字が小さくなっていたり、視覚にも斬新な四次元小説。
1968年生まれの著者、子どもたちに寄せる思いというのがじわじわと伝わってきます。
2003年のデビュー作「三美スーパースターズ最後のファンクラブ」でハンギョレ文学賞、「地球英雄伝説」で文学トンネ新人作家賞受賞。韓国では押しも押されぬ人気作家。
今回初めて読みましたが、独特の文体と構成にすっかり魅せられてしまいました。
第一回日本翻訳大賞受賞の「カステラ」もこれから読む予定です( ´∀`)
←「「うたかたの日々」本を買い取りました。」前の記事へ 次の記事へ「福岡県福岡市の古本屋さんとブックカフェ」→