「会津執権の栄誉」本を買い取りました。
会津執権の栄誉
佐藤 巖太郎
買取価格 347円
デビュー作が「オール讀物新人賞」となり、第157回直木賞候補作になったという、大期待の大物新人!
戦国時代も過ぎ、伊達氏と並び有力大名であった芦名氏にも後継者の早生などで次第に陰りがさしてきます。
婿養子を迎えることになるも、それをきっかけとして家中に軋轢が生じます。
「会津の執権」とも呼ばれた家臣筆頭である金上盛備(かながみもりはる)、しかし彼も老境にかかり…
北からは伊達政宗の脅威、そして栄華の最中の豊臣秀吉からの圧力。
同タイトル他に書き下ろし含め6編からなる本書。
閑話休題、会津とは福島県でも新潟寄りの内陸に当たる部分、豪雪地帯でもある奥只見とか尾瀬の入り口でもある檜枝岐村も会津地方になります。
戊辰戦争(会津対長州・薩摩)の折、かなり辛い目にあった会津藩ですが、どこかに未だ多少の遺恨があるようで、2007年に安倍首相(長州→山口出身)が選挙応援で会津若松市を訪れた際に「…先輩がご迷惑をおかけしたことをおわびしなければいけない。」と言ったとか…戊辰戦争ってもう140年以上も前の話なんですが、まだ終わっていなかったのですね。
さて本の方はというと、一気読みしてしまいました。すごい歴史小説作家が登場したって感じです。
作者は福島市在住、文体は決して重たくはなく、スラスラ読めるのと何だかカラー映像で浮かんできそうなのです。
でも登場する人物は全てハードボイルドな感じ、まるで新しい歴史小説です。
次回作も楽しみな作家さんが増えて頼もしい限りです。
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