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至福の烙印」本を買い取りました。

至福の烙印 (エクス・リブリス)
クラウス・メルツ 松下 たえ子
4560090521

買取価格 777円

 

現代スイス文学を代表する著者の代表的短編を集めた初邦訳集。

クラウス・メルツ氏は1845年生まれ、教師生活を経て短編小説「必修トレーニング」でデビュー。

本書の「ヤーコプは眠っている」でヘルマン・ヘッセ賞受賞、「ペーター・ターラーの失踪」でスイス・シラー財団賞受賞。

他にもゴットフリート・ケラー賞などスイス国内の数々の文学賞を受賞。作品は英語、フランス語、イタリア語、ロシア語、中国語などに翻訳されています。

 

スイス文学と言ってもあまり馴染みの無いジャンル、有名なところではヨハンナ・スピリ「アルプスの少女ハイジ」

スイスを舞台にしたものとしてはトーマス・マンの「魔の山」(北杜夫氏のエッセイに度々登場するので挑戦してみましたが、最初の方で挫折した苦い思い出が…)

言語もドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語、そして方言と多岐にわたっています。

本作にも方言と思われる挨拶が登場しますが、福島会津地方の言葉?だとしたら翻訳する人ってやはりすごいな〜と感心する事しきり…やはり気候の似ているところの言葉を使用するのでしょうか?驚くほどしっくりきた言葉でした。

 

「ヤーコプは眠っている」は現在の私と子供の頃の私が交錯、父親の病気、母親の精神の病、弟の生まれつきの病気…何故か鬱々とした空気は流れない不思議な短編。

「ペーター・ターラーの失踪」は文字通り失踪小説。これも家出から最後まで現在と過去が交錯する短編。

「アルゼンチン人」同窓会の会場で再会した「私」と「彼女」。「彼女」の祖父の話となり…

個人的にはこれが一番面白かった。

今なら「魔の山」に挑戦しても…秋の夜長に読んでみようかと(^_^)

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