「BUTTER」本を買い取りました。
BUTTER
柚木 麻子
買取価格 373円
第157回直木賞候補だった作品。
帯には「獄中から溶け出す女の欲望が、すべてを絡め捕っていく」
色んな意味で話題にもなったのですが、なかなか読めませんでした。
モデルでは無いかと言われている事件がある事と、実際拘置所にいるその人の激昂したブログ(モデルでもなんでも無いと怒ってらっしゃるようです)も読んで見ましたが、なんだかな〜、陰鬱な気持ちを抱えたまま読み進めました。
タイトルのバターはいきなり登場して、最後までバターでした。
エシレバターからカルピスバター、四つ葉のバター(これ自宅で愛用中)、普通のバターに発酵バターから無縁バターまで、バターを使った料理(炊きたてご飯にのせるだけってのまで登場)がたっぷり登板、これだけの表現力がありながら、腹も減らず、なぜか胸焼けしたような気持ち…雑誌記者である細身の女性主人公が確実に肥っていくのが怖いくらいでした。
バター=罪悪感みたいな構図になっていく話の展開が非常に怖かったです。
45億…とあれだけ言われている男性の影が薄い、(被害者は全員男性なんだけれど、存在感が…)女性がほとんどの小説のようなイメージが残りました。
女性社会の中でのマウンティングのようなものとか、幸せを図るモノサシであるとか、読んでいてとても窮屈で、圧迫感がありました。
元の事件を実はよく知らなかったので、改めて色々読んでみましたが、正直よく分からない話でした。
しかし、独房の中ってブログを書いたり、差し入れ(?)を食べられたり、思っていたよりできる事があるようですね…絶対入りたく無いけど…(笑)