「ぼくらが漁師だったころ」本を買い取りました。
ぼくらが漁師だったころ
チゴズィエ オビオマ Chigozie Obioma 粟飯原 文子
買取価格 701円
「1986年生まれの作家が書き上げたアフリカ文学の新たな金字塔!」の帯とブッカー賞ノミネートの文字に惹かれて読み出しました。
舞台は1990年代のアフリカ、ナイジェリア。歴史的・文化的にまったく異なる社会が複数存在している場。
9歳である僕は六人兄妹の4番目の男の子、優しい兄たちと父母、可愛い弟、妹に囲まれて生活していました。
そんな仲のいい四人兄弟に狂人の予言が降りかかり、その予言に四人は翻弄されて…
ナイジェリア中央銀行に勤める父親が単身赴任になったころから四人兄弟には秘密ができます。
それは決して近づいてはいけない川で釣りをするという遊び、なぜかそこで獲ったおたまじゃくしは一晩も生きていられず、川はいつも濁って汚い状態、誰もが避ける狂人は子供達に恐ろしい予言を伝えます。そして大人たちが呪われた川と呼ぶその場所で事件は次々と起きていきます。
著者のチゴズィエ・オビオマ氏はナイジェリアのアクレ(本書の舞台ともなったところ)生まれ。
2015年に発表したデビュー作でもある本書はブッカー賞最終候補に選出され、ロサンゼルス・タイムズ文学賞やファイナンシャル・タイムズ/オッペンハイマーファンズ新人賞など4賞を受賞。現在ネブラスカ大学リンカーン校で教鞭を執る。(本書後ろ扉より)
訪れた事もない、アフリカの大地や自然が鮮やかに浮かぶのは著者の筆力によるところ、子供達の汗の感覚までが見事に表現されています。最後まで一気読みしてしまう事間違いなし!