「宗麟の海」本を買い取りました。
宗麟の海
安部 龍太郎
買取価格 531円
直木賞作家のデビュー30周年記念作品。
「大分合同新聞」に連載されていた本書は大友義鎮(のちの宗麟)の半世紀を描いたもの。
500ページ近いものでしたが、一晩で一気読みをしてしまいました。
(本当はお正月本だったのですが、待ちきれず一晩で読んでしまうとは…。)
大友宗麟といえばキリシタン大名のイメージがありましたが、実際に洗礼を受けたのは隠居の後の事、現役中は手厚い保護や支援をしていました。信長よりも早く海外貿易を行い、銀山を探し、海外との交易に生かしました。
本書の中でも灰吹銀の作り方が登場しますが、あんな時代にもちゃんと銀の精錬の仕方をわかっている人たちがいたのですね。(鉄とは製法がまるで違うので驚きました)灰吹法とは鉛を利用して銀のみを取り出す方法、しかし日本いは鉛があまり取れなかったようで、その鉛を海外から輸入するのです。
その頃はちょうど鉄砲の需要が始まったころでもあり、鉄砲の弾にもなる鉛の需要は高まるばかり。
日本で採れる金や銀は海外のレートよりもお安く、品質も良かったため日本は海外では宝の島のように思われていたのでしょうね。
自らも生まれつき心臓の弱かった宗麟にジキタリスを勧めたのはイエズス会の宣教師たち、日本の医学の遅れを感じ医学の心得のある宣教師たちに日本初の西洋式病院(内科・外科・らい病科など)を作ります、今もなお大分県庁舎本館前には「日本における西洋外科手術発祥の地」の記念碑が建っているそうです。
豊後が生んだ天才的大名の生涯を描いた渾身の一冊。
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