「辰巳芳子のことば 美といのちのために」本を買取りました。
辰巳芳子のことば 美といのちのために
辰巳 芳子 小林 庸浩
買取価格 489円
日本で一番入れない「スープ教室」主宰の辰巳芳子先生の本です。
お正月のゆっくりした心持ちの時に読みました、一言一言が沁みました。
「スープになる前の、切った食材を入れただけの鍋の状態が美しいようでなければ、鍋の中の景色が美しいようでなければ、美味しい味には絶対にならないわね」本文より
病気で固形物が摂れなくなった入院中のお父様へ、滋養のあるスープを毎日運んだのがきっかけとなって生まれたスープの会。高級品やお取り寄せなどではない素材を丁寧に切って調理したものが命のスープ。
素材を活かすという言葉本来の調理方法を勉強できるようです。
急いで適当な料理を作る事もある日常、お正月の節目くらいはきちんとと思って取り掛かったつもりでしたが、こういった料理に対する心構えというのは常に思わなければならないもの…
他にも良い道具にはある種の「秩序」があると先生は言います。良い道具を使う事で人は機嫌よく暮らす事ができる、小さな機嫌の積み重ねが良い仕事の繋がると…
九州の小鹿田焼きのすり鉢や効率のいいすりこぎ、日本の工芸やお米や絹、料理道具の美などについても、やさしい言葉で綴られています。あと半年もしないうちに始める梅仕事の話もしっかりと書かれています。
普段は料理はしないという人にも手にとって戴きたい本書。
インテリア雑誌に登場するような生活感の感じられないような部屋がかっこいいという風潮の中、秩序のある道具に囲まれている台所というのもそれはそれで美しいのではないかとも思った次第です。