「江戸の出版統制 弾圧に翻弄された戯作者たち」本を買い取りました。
江戸の出版統制: 弾圧に翻弄された戯作者たち (歴史文化ライブラリー)
佐藤 至子
買取価格 550円
江戸時代の識字率は世界でもダントツに高かった日本、「読み、書き、そろばん」と言ってそれだけは身につけておかないといけないという事で庶民の子どもの就学率は6割以上。海外と比べてもダントツの就学率。寺子屋へ通わない子どもでも文字はある程度読めたらしいです。
識字率の高さや戦の無くなった平和な時代において庶民にも読書の楽しみができたのが江戸時代です。
その頃の絵草紙を眺めてみると句読点が一切無いひらがな文字。しかも文字は文庫本並みに小さい…
どうやって読んでいたかというと、ほとんどが音読、声に出して読んでいたのですね。
実際に音読してみると多少はつっかえるも現代人でも読めない事はないといった感じでした。
今とは違って庶民はにとって本は買うのではなく借りるもの。貸本屋さんが箱に詰めたものを背負ってやってきます。(◯◯TAYAに行かなくても向こうから来てくれるなんて便利!)
続き物も多かったので読み終わった頃にまた来てくれるシステムだったようです。
そんな江戸時代の出版状況はというと…徳川様の世の中なのでもちろん徳川さんの悪口はダメ、昔の秀吉とかの話もダメ!と云った規制は多く、タイトルや登場人物の名前をもじった物に変えたり(挿絵にはこっそりそれとわかる家紋を入れて見たり)様々な裏技でお上の目をかいくぐっていた模様。
規則を破れば「手鎖」というひょうたん型の手錠のような物(しかも紙の封印付き)を両手にはめて牢に入るという刑までありました。
何を書いても言ってもいい平成の世の中ではありますが、責任というのを忘れると大変なことになってしまうという事は忘れずにいたいものですね。