「小型哺乳類館」本を買い取りました。
2018年02月03日 category : <高価>古本買取情報 タグ: ピピンモンキー
小型哺乳類館
トマス ピアース Thomas Pierce 真田 由美子
買取価格 560円
久しぶりに会う息子が家に連れてきた動物はクローン再生技術で双子で生まれてしまったマンモス。
名前はシャーリー・テンプル三号。小型のマンモスは原因不明の夜泣きを続け、体調も悪くなってしまっているよう…肝心の息子とは連絡も取れず、かといって獣医に見せるわけも行かず…往年の可愛い子役の名前をつけられたマンモスの行先は…「シャーリー・テンプル三号」
夢の中に登場する人物と結婚していると告白した彼女。相手の名前はアラン・ガス、夢の中の出来事を事細かに訊いているうちに同姓同名の人間を探すことに、ところがろ複数のアラン・ガスが次々と見つかり…「実在のアラン・ガス」
そんな不思議な短編が12編。中でも「追ってご連絡差し上げます」は海外で正体不明の感染症で亡くなった弟の遺体がなぜか世界のあちこちに動かされて検査されるもなかなか対面できないというかなりもどかしい話。
元恋人の家に大切なもの取り戻しに入ったはいいけれど犬に追いかけ回される「バーバブーン」という作品は2015年『オー・ヘンリー賞受賞作品賞』を受賞。
どれも奇妙な出来事、でも日常に潜んでいそうな不思議な話。個人的には「転ぶ人々のビデオ集」が面白くてついつい何回か読み返しました。
全米図書協会「35歳未満の注目作家」に選ばれ「新人ばなれした熟練の腕前」と有力紙誌に絶賛された驚きのデビュー作、今年は長編作品「The Afterlives」を刊行予定。早めの邦訳が待たれます。
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