「地下鉄道」本を買い取りました。
地下鉄道
コルソン ホワイトヘッド Colson Whitehead 谷崎 由依
買取価格 1,122円
19世紀前半、ジョージア州の大規模農園(プランテーション)住む15歳の少女コーラ。
おばあさんの代から奴隷として働かされているのでした。
1860年に奴隷をめぐる対立が大きな原因となり南北戦争が始まり、北軍が勝利を収め65年に奴隷制が廃止されるまでまだ30年も前の話、コーラは奴隷の青年シーザーに逃亡を持ちかけられます。
アメリカでは古くから大農園の多い南部は奴隷を使役する州、北部はそれに反対する自由州。
北部まで逃げおおせれば自由になれる、そしてそれを助ける地下組織。
タイトルの「地下鉄道」はコードネーム、逃がすための奴隷は「積み荷」、その輸送を助けるのは「車掌」、そして奴隷を匿う小屋は「駅」と呼ばれました。
本書では暗号であった「地下鉄道」を本当に走らせて、コーラやシーザーは北部に逃げます。
そして逃げた奴隷を追う事を仕事としているリッジウェイとその仲間たち。これがまた異常なくらいにしつこい…
州の名前がついた章の始まる前には逃亡奴隷を探す手配書のような広告の文字が…それも実際に新聞に載っていた物をそのまま使用しているとの事。
2016年に出版されてから数々の話題を呼び、現在40の言語に翻訳されている本書。
アカデミー賞を受賞したバリー・ジェンキンス監督によるテレビドラマ化も決定しているとの事。
前大統領のオバマ氏が夏の読書リストの選んだ本書。複数の著名な賞を受賞し続けています。
目を背けたくなるようなハードな表現も登場しますが、ノンフィクションに限りなく近い小説ではないかという読後でした。