「竹林精舎」本を買い取りました。
竹林精舎
玄侑宗久
買取価格 464円
あの震災から早いもので7年が経とうとしています。
福島県在住の臨済宗の僧侶でもある玄侑宗久氏の書き下ろしの本書では、震災から3年経て出家した青年が主人公。
あとがきを読むまでわからなかったのですが、この主人公は他の本の登場人物でもあるらしいです。(残念ながらそちらは未読なのでこれから読む所存)
若干こじれた感もあるけれど、真面目で一途な主人公が僧侶として震災と原発事故という二重の苦しみを追った福島での新しい生活を描いたもの。
主人公は縁あって福島のお寺に入る事になり、初日に三人の檀家の代表者たちとお酒を呑む事になります。
その中のお米を作っている人がワラビやイワナを(何故この二品なのかは本書で)つまみにしながら語るのが「被害は受けても被害者意識を持ったまま晩年をおくりたくない」そんな言葉に背中を押されたのか、主人公は翌日からお寺の周りにある竹林の手入れを始めたり、少しづつ先送りにしていたり、迷っていた事にも着手していくのでした。
現役の僧侶が書かれているので、普段のお寺の中での業務だとか、お葬式の時の慌ただしさなどお寺さんサイドの我々にはなかなかわかりにくい事も細かに描かれています。
著者の住む三春町は樹齢推定1000年を超えるとされるしだれ桜(三春滝桜)で有名なところです。
あと二月もすれば滝桜も開いてくるはず…梅・桃・桜が同時に咲くところから三つの春で三春という地名の由来。
春が待ち遠しい今日この頃です。
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