「白百」本を買い取りました。
白百 (単行本)
原 研哉
買取価格 555円
グラフィックデザイナーの原研哉氏の白にまつわる100のエッセイ集。
手に取ると、タイトルがキリッと浮かび上がって来る美しい白い本です。
オリンピック開催中の平昌の白、日本海側に降り続いた白、最近目にした白は寒々しいものが多かったような気がします。
本書で登場する「束見本」(つかみほん)。まだ文字が印刷されていない紙だけの体裁見本の話。
のっぺらぼうの本というのは作家や印刷の関係者さんなどにはお馴染みでしょうが、一般人ではなかなかお目にかかる機会がないもの。誰も歩いていない雪道みたいな白い本というのも触ってみたいものです。
白い食べ物も登場します。素麺・餅・おにぎり・うどん・豆腐など…そして同じ小麦から出来上がるものでもまっすぐなうどんや素麺に比べるとパスタはなんと種類の多い事、麺の幅、断面の違い(四角や扁平や丸)、ねじれてたりヒダがあったり、絡めるソースなどによってバリエーションが増えたのでしょうね。
日本の麺類では粘度の高い出汁というのは少ないですよね、強いて言えば釜玉ぐらい。
さらっとした出汁だから麺は曲がらずに今に至ったんでしょうね。
「漆喰」(しっくい)、シックハウスという問題が出てから最近、見直されています。消石灰や貝殻石灰が主なものとなりますが、呼吸する材料なので人にも優しいもの。蔵の壁にもなっているので、白く美しい壁は目にした事も多いはず。
そんな白にまつわる話が100。物理学者の書く文章は有名なものが多いですが、デザイナーの書く文章というのもカチッとしていて読んでいて心地よかったです。
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